冬のヨーロッパと日本列島




夏沙のブログ-greenland3

品川から新幹線に乗って広島へ向かう。

見慣れた大山が目に入ると
心あったまる景色は海老名。

地元を新幹線のスピードですぐに通り抜けて立派な富士山が目に入る。
海老名からいつも見える富士山とは違う角度から
そして、どんどん、近づく、 大きい!

名古屋を越すとあっという間に景色は真っ白
久しぶり見る雪景色に
四季のある日本に住んでいるということを実感する。

電車の窓の外の雪景色を眺めながら思い出したのは
20歳の冬、ちょうど4年前の今頃
ひとりでピンクのバックパック背負って
ヨーロッパを電車で旅したこと。

ちょうどイヤホンから流れていた音楽が
旅の中で良く聞いていたスティーヴィーワンダーで
頭の中によみがえる
寒い冬のヨーロッパ。

寒くて暗いモスクワ空港での乗り換えから数時間、
旅の始まりは、デンマーク。

凍り付く川、雪の中一人は寂しくって
ユースホステルに泊まったけれど
ヨーロッパの団体客ばかりで、すぐに寝たんだっけ
目的はデンマークではなくって
大好きなグリーンランド人の親友の故郷を訪れることだった。
デンマークから小さなエアーグリーンランドに乗って、
グリーンランドの小さな首都の空港に降り立つ。

友達の住む街は、そこから更にヘリコプターに乗りかえて行かないといけない。
そのヘリコプターがすごくって
凍り付いたグリーンランドの大地をすぐ下に
不安な私の心、機体を左右にゆらすパイロット。

世界を旅するとき
飛行機から見たことのない大地を見下ろすとき
船がが見知らぬ国の港に着くとき
すっごくわくわくする。

ヘリコプターは友達と、友達のママが
手を振り待つ大地に、すぐそばに降り立った。
空港とは呼べないような一軒家のような空港。

ヘリコプターから降りた私は
すぐに彼女と感動の再会とBIG・HUG!
一日ですべてまわれるくらい小さな街だから、
10日もいた私は街の人たちに顔を覚えてもらった。

大好きな友達が生まれ育った大地と家族は
暖かくって
凍り付いた寒いこの国はただただ美しくって感動した。

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帰りのヘリコプターは
悪天候で2日遅れたけれど
私がヘリコプターに乗り込むところまで見送ってくれて
飛び立ち見えなくなるまで手を振ってくれていた

デンマークへ戻ってからは、気の向くままにイタリアまで電車で南下した。

ドイツの友達のおうちにも泊めてもらって
チェコで泊まったゲストハウスでは旅仲間と遊んで
そこからはひとり旅を楽しんだ
電車から降りて見知らぬ街を歩く。

泊まるところを決めて、その街が見慣れた頃には
出会った人たちとアドレスを交換して
また一人電車に乗って雪景色を眺めながら、
いつも耳にはスティーヴィーワンダー。

旅で出会ったひとたち、出会った景色、想い。
あんまり思い出さなくなっているけれど
今日は新幹線の中からの雪景色とスティーヴィーワンダーのおかげで
なつかしく、思い返す。

広島へ向かう新幹線はもう京都も通り越して
雪景色なんかはとっくに終わっていて
見慣れた茶色い大地とほんのり青空な日本の景色に戻っていた。

一日で広島を往復して
心の中は冬のヨーロッパと日本列島。
冬を日本で過ごすことが少ない私ですが
四季のある日本にありがたみを感じ
一日の出会いに感謝を込めて
丁寧に、丁寧に。

2010年1月9日