ハリエットに会えた!




5年前に1年住んでいた、
ウガンダの田舎町、カムリ。

今回の旅でやっぱり一番楽しみだったのは、
カムリに行くこと。

大変だったアフリカ生活や、
お世話になった人たちの顔が次々と思い浮かぶ。

首都カンパラからバスに乗って2時間。
ジンジャという街でバスを乗り換えて、更に2時間。

この道も、毎回いろんなことを考えながら
何度も通った懐かしい道。

カムリの街が見えてきて、変わらないような、
少し変わったような、懐かしい街に、ドキドキした。

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住んでいた家の前でバスを降ろしてもらう。

家は共同生活の長屋の様になっていて、
一緒に住んでいたハリエットとヘレンがまだそこに住んでいるのかわからなかったけれど、
とにかく入口から入ってみる。

レンガの雰囲気や生活感が懐かしい。
私が住んでいたところには誰か違う人が住んでいて、
その住人に、「ヘレンは?」と聞くと、向かいの部屋にいるよ!と。

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(私が住んでいた家。)

大きな声で、ヘレン!ヘレン!と呼ぶと
まだ顔も見ないうちに

「ナツサー!!!」とヘレンの声!
会えた!ヘレンに会えた!!
感動した。嬉しかった。
ヘレンとビックハグを交わす。
びっくりして嬉しそうなヘレンに感動する。

ハリエットは?と聞いてみると、
ハリエットの夫のイノロが今年の三月に亡くなったらしく、
村に帰っていたと、びっくりする情報を突然聞かされる。

ハリエットは私が来た当時、イノロの第三夫人で、おなかにあかちゃんがいた。
そのうちに産まれて、
その赤ちゃんはジョナサンと名付けられて、私も毎日成長を見守っていた。
イノロが第三夫人のハリエットのところに帰ってくる日、
ハリエットは張り切って肉を料理していたことを思い出す。

ある日はハリエットとイノロの夜中に夫婦喧嘩の声で目が覚めた。
アフリカで夫婦げんかして外に締め出された女性を夜中に宥める自分に笑えた。

ハリエットは貧しい村で育った。
教育も受けられてないから、英語が喋れない。
けど、街で働くイノロと結婚したから、街に出て来て私と同じ敷地内に住んでいた。

ハリエットは初め、
恐らく初めて見る外国人が同じ場所に住み始めたということに戸惑いを見せていた。
完全に警戒されていてコミュニケーションも取れなかった。

でも次第にハリエットは心を開いてくれて、
いつでも優しくてかわいくてピュアな私のお隣さんだった。

私はハリエットが大好きで、
言葉は通じなくてもほんとうに大切な友達が出来て嬉しかった。

次の日、ハリエットがいる村にバイクタクシーで会いにいった。

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家に着くと、ハリエットの妹が歓迎してくれた。

4才になったジョナサンがいた。

生まれたばかりのジョナサン、
私が帰国する頃には立ち上がりそうになっていたジョナサンが、
私を見て恥ずかしそうに逃げて行った。

ハリエットは畑に行っているとのこと。
周りの近所の奥さんたちが子どもたちに
「ジョナサンのママを呼んでおいで!!」と言うと、
子供たちが我こそにと走って呼びに行ってくれた。

少し待っていると、ハリエットは裸足のまま走って来た。
全身で喜んでくれて、ナツサ!ナツサ!と何度も呼んでくれた。

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日本に帰ってから、
もちろん携帯も郵便ポストもないハリエットと連絡を取ることなんてできなくて、
それでも大好きだったハリエッとの写真を部屋に飾っていた私は
ハリエッととまた会えて
夢のようで、嬉しくて感動した。

相変わらず言葉が分からない私達は、
限られた覚えてる言葉と表情と歓喜の声でお互いの再会を喜んだ。

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私が帰国する時にあげた写真をいれるアルバムは、
私の写真が大切に挟まれていて
その後には、私が帰国した後のジョナサンの成長していく姿の写真が何枚か入っていた。

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5年前の写真を何枚かプリントアウトして持ってきたものを渡して
そのアルバムにまた入れてくれた。

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今回こうして、ここに戻ってきて、
私の知っている人が何人も亡くなっていた。

アフリカでは健康診断もなければ、
病院に行くお金もなかったりして
小さな病気でも突然亡くなったりする。

やっぱりこれがアフリカの田舎の現実なんだと思い知らされた。

それでもみんな、力強く頑張って生きていて
私のことを大歓迎してくれて
こんなところに
大切に思える人たちがいることがどんなに素敵なことなんだろうと心が熱くなる。

私が日本に帰ってから
ピースボートの仕事を始めて忙しく日本中、世界中を飛び回っていた中で
彼らが過ごしていた私と同じだけの時間に触れてみて、
日本とアフリカの遠さを改めて想う。

ウガンダに住んでいた頃の自分を想い、
ここにまた戻ってこれた自分を想い、
当時いっぱいいっぱいで見えていなかったこの街の良さが
今はいっぱい見えたり
成長した今の自分を感じた。

そして、きっと、ひとりだったら、戻ってきていなかったかもしれない。
一緒に旅をしてくれて
私が住んでいた街を好きになってくれた彼にも心から感謝し、
そんなひとと出会えたことに幸せを感じました。

きっとまたこの街に戻ってくるな~と不思議と思え、
でも、その時に、ハリエットやヘレンは元気にまた会えるだろうかと
少し不安になってしまうのは
やっぱりアフリカという土地のせいでしょうか。

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