今日はいい日だ!




やっと電気が戻った。

長らくの停電生活から開放された。
お茶を飲むための熱湯がすぐにできるという快適さ。
夜、本を読むための快適な明るさ。

電気がないと、いっぱいのお茶を入れるために15分かかる。
パラフィン(灯油)ストーブのしんにひとつひとつマッチで火をつけて
その火がいいかんじになってお湯が沸くまでに約15分。

夜はキャンドルとランプに灯をともして
なるべく早く寝てしまう。

だけれど
ここでの生活は、電気があったとしてもなかったとしても
それほど変わらない気もするし、
むしろ電気がないほうが、あったかいキャンドルライトに包まれて
心地よかったりもする。

今日は朝、30秒で作ったお湯でミルクティーを飲んで
最近通っている小学校へ。

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ここの先生であるウィリアムは
とっても穏やかで優しさが体中から滲み出している
みんなのお父さん的先生。

ウィリアムによると、先生は他に3人いるらしいけど
今日もまた、ウィリアム先生だけだ。

ウィリアムが低学年、私が高学年を教える。
この学校は、みんながみんな、穏やかすぎる。

授業の質や先生や生徒のレベルがどうとか、そんなのはどうでもいい。
ただ、子どもが「教育」という場に通えること、
誰か「先生」がいて、周りに仲間がいること。
それだけでみんな十分に幸せそうで楽しそうだ。

でもだからこそ、私が「教育レベル」と口に出してしまえば
それはかなり低くて、他の小学校の子どもたちが理解できる簡単な英語すら理解しない子ばかりで
現地語が苦手な私にとっては
教えるためのレベルは高い。

一番上のクラスに、障害を持つ男の子がいる。
本当だったらもう中学生の年の子だ。
黒板に書いた問題を子たちは私のところに持ってくるが
彼だけはどう見ても訳せない暗号のような文章を書いていて
私は彼のノートにも周りのみんなと同じようにマルをつける。

周りの子どもたちは、彼を一切特別扱いはしない。
ただ彼の状況を皆子どもながらにちゃんとわかっていて、
彼が何か困っているときはちゃんと助けてあげる。

ランチは
とうもろこしの粉を溶かしたドロドロ飲み物。
おかゆのようなイメージ。

私のご近所さんは、毎朝、そのもう少し濃いドロドロにお砂糖を入れて飲んでいて
たまに私にも持ってきてくれるが、
ここのランチは砂糖もないから、
味のない、ただのドロドロ。

マンゴーの木下で、大きな鍋でぐつぐつ煮込んだそれを
一番上のクラスの男の子が、それぞれのコップに注いでいく。

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子どもたちは、マンゴーの木の葉っぱをもぎり
キャッサバの枝とくっ付けて器用に即席スプーンをつくり、
それでドロドロをすすう。

マンゴーの木下にすわってみんなで葉っぱのスプーンを持っている光景がなんともかわいらしい。

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午後の授業の始まりと同時に
雷の音が近づいてきた
と思うと、雨と風が教室に入り込んできた。

簡単なつくりのトタン屋根がばたばたと持ち上がったり閉じたりしている。
ドアのない土壁の教室には、砂埃と風と雨が容赦なく入ってくる
「ひなんだ!」
すぐ隣の、立てかけのレンガ造りの家にみんなで逃げ込んだ。

立てかけの家の、窓が一番小さな部屋にみんなで入って
風と雨が去っていくのを待った。
雨と風は数分で去っていき
今日の授業はおしまい。

みんなでウィリアム先生の自転車をおして
それぞれの家に帰っていく。

先に帰っていった、障害を持つ男の子の家の前を通ると
彼のお母さんが出てきて大歓迎をしてくれる。

彼も、こちらを見ながら、嬉しそうにしている。

お母さんはパワフルに、サツマイモの皮をむく手を止めずに話し続ける。
帰り際に、サツマイモを袋いっぱいにくれた。

そこから何件か先の家を訪れる。
迎えてくれた男性は、HIV陽性者。

体は痩せ細っていて立ち上がるのも大変そうだが
力強い握手と明るい会話は、彼のポジティブさを語っていた。
たわいもない会話をして
私はタウンに戻った。

今日はなんだかいい日だな
と思いながら
いつも行く、ミルクティーがおいしいお店に直行すると
今日はタイミングよく
大好きなハーフケーキ(沖縄のサーターアンダギーによく似ている)を
揚げている最中! 揚げたてほどの幸せはない。

やっぱり今日はいい日だ。

マーケットで野菜を買って家に帰る。
何を作ろうかとおもってひらめいたのはカレー!
大事にとっておいた、友達が送ってくれた日本のカレールーで
もらったサツマイモも入れて、夏野菜カレー。

やっぱりやっぱり、今日はいい一日だった。

明日もいいことありますように。

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