卒業図書




部屋の整理をしていて

久しぶりに高校時代のものが出てきた。

地元の中学に通っていた幼き頃、

幼いなりに

こんな教育でいいのだろうか!

みたいな、公立学校の教育に対する不信感というか嫌悪感を抱いていた私は

「ふつう」の高校には行きたくない。

もっと、自分のことを理解してくれるような学校じゃないと、行きたくない。

と漠然と思っていた。

そんな中私が探してきた進路先が、和光学園だった。

まず、制服がない!というのに、ひかれた。

中学生の頃の私は、

なんでみんなとおんなじ服を着ていないといけないんですか。

なんで靴下の色や長さまで揃えなくちゃいけないんですか。

絶対おかしい!!!

とか先生に言いにいくような、生徒だった。

(先生、ウザかったよね。笑)

だから、制服がない学校なんて、素敵だ!

と思った。

単純にきっかけはそこだったけれど

和光学園は私の納得のいく教育制度がある学校だったと

今になって更に実感する。

競争させられる教育ではなくて

詰め込み式や、受験勉強のためではない

本当の意味での勉強をさせてもらったし

ただ先生が講義を進めていくんじゃなくて

みんなで考えたり討論したり外に出てフィールドワークをしたり

そんな授業がたくさんあった。

(とは言っても、高校生。授業なんてかったるい!ってサボったりしていたことも否めないけど。)

その和光高校の卒業式は、

私服だからこそ

卒業生はファッションショーばりの気合いのはいった格好をする。

まあ、卒業式なんてどうでもいいんだけど

卒業式の後、

担任の先生から

卒業図書

というのをもらったんだ。

担任の先生が、クラスの一人一人に選んだ本のプレゼント。

今日部屋を整理していたら出ててきたものが

卒業図書の紹介という冊子で

クラスの全員一人一人に選んだ本と、なんで先生がそれを選んだかという紹介文が

丁寧に書かれている。

担任の先生が私に選んでくれていた本は

「愛と怒り、戦う勇気-女性ジャーナリスト いのちの記録」 松井やより

夏沙のブログ-松井やより

その当時、別にこの本をもらって嬉しくなかった。

興味も無くて、読まずに本棚にしまっていた。

そして私は大学に進学して

一年生の頃は授業なんて殆ど出ずに

ピースボートで地球一周するためにボランティアスタッフ制度というのを利用して

毎日のようにピースボートセンターに通いつめていた。

地球一周から帰ってきた私は、

地球の上の自分という存在がいかにちっぽけで

いかに無知だったかということを思い知り、

勉強不足じゃ!!!

大学で勉強するべ!!

と思い立ち、大学2年生の一年で、大学卒業単位の半分をまじめに取った。

その1年間で出会った先生や授業や経験は本当に大きかったんだけど

そのなかでも

ジェンダーの授業をしてくれた先生の影響を大きく受けた。

その先生は超パワフルなおばちゃんで

その先生のお陰で、ジェンダー関係のNGOのインターンもやらせてもらったり

ジェンダーという今まで自分の中に無かった視点と出会うことができたんだ。

それでね

その先生の授業で夏休みの宿題として

指定図書の中から一冊選んでなんか書く、というのがあって

その指定と書の中の一冊に

私が卒業図書でもらっていた、松井やよりさんの、まさにその本が入っていた。

更に先生は、山下さんはこの本がオススメね。と、ビンゴで私の卒業図書を指定してきた。

そしてさらに、私がその先生のお陰で関わったジェンダー関係のNGOというのも、

卒業図書の著者である、松井やよりさんが設立したNGOだったんだ。

本棚の中で忘れられかけていたその本を夏休みに読み、

私は強烈なパワーをそこからもらっていた。

同じような生き方とは言わないけれど、

私も、彼女のように、生きてみたい。

そう思った。

そして今日久しぶりに出てきた卒業図書紹介の冊子。

山下さんには 「愛と怒り戦う勇気」 という本を贈ります。

この本の著者はもうこの世にはいません。

この本が絶筆でした。

著者はジャーナリストとして得にアジアの女性の人権音大に取り組んだ人でした。

この面では日本人として先駆者と言ってよい人です。

この本はがんを告知された著者が最後の力をふりしぼって書いた自伝であり、また行動の記録です。

山下さんのイメージに近いかなと思って選びました。

山下さんが自分の将来にどんな夢を描いているかわかりませんが、きっと行動的な、しかもペンを持って活躍しそうな女性になっていくようなイメージを抱かせます。

この本のタイトルは、目鼻立ちも喜怒哀楽もはっきりした山下さんにぴったりだと思っています。


と、書いてあって

高校を卒業してから約6年。

ジェンダー関係ではないけれど

私は先生が書いてくれたような人になりたいと思って生きていることに気づいて

先生がこの本を選んでくれたのは偶然ではなくて

本当に生徒一人一人をみて選んでくれていたんだなって

卒業図書

そーんなあったかい企画をしてくれた学校に感謝しているし

自分にぴったりの学校をちゃんと選んだなっていまさらながら思うわけです。

いつか高校の先生と再開する機会があったら

この話を伝えたいな、と思っています。
ありがとうねーせんせい!













2 件のコメント

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    良い話だね。確かに、なっくん昔から個性的だった!
    本当の意味での勉強か~。実際にそれを教えることができる先生って、残念ながら少ないよね。
    中学生で教育制度に着目して高校選んだってのがすごい!
    松井やよりさんの本は運命的だったね☆
    俺も本からパワーをもらうことがよくあるけど、先生がなっくんに勧めてくれたその本は、まさに人生のバイブル!
    俺もそんな出会いに期待したくなったよ(^^)

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    >ふなさん
    ふなーー!!コメントサンキュー★
    ふなも昔から相当個性的だったけどね!
    出会いは人も物も本も旅も一生もん!
    あの秘密基地だってきっと今につながる要素になってるんだから♪

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